入籍しない結婚の形、同棲と事実婚

不思議な関係

大学の非常勤講師をしている30代前半の知人男性は、頭脳明晰な上に親切で明るくなかなかの好青年です。こういう男性と結婚すればきっと堅実で暖かい家庭を築くに違いないと思い、先日、お見合いの話を持ちかけてみました。結果はアウト・・・正式に籍を入れる結婚はしていないそうですが、8年間も一緒に暮らしている女性がいるというのです。


お相手の女性は外資系の大手企業に勤めていて彼より4歳年上です。年収は1,000万円近くあるそうで、もちろん男性よりもずっと多い年収になります。ただし仕事はハードで、朝と夜に顔をあわせるだけというすれ違い生活。食事の支度から家の掃除、風呂場の掃除、そしてゴミ出しまで、家事の一切は男性がこなしているのだとか。こういう生活ですから土・日は二人とも疲れ果て、必ず外食になってしまうのだそうです。これから先も入籍の予定はなく、このまま事実上の結婚生活を続けてゆくつもりらしいのですが、なんとも不思議な関係です。

同棲に肯定的な人が増えている

入籍をしていない男女が共に生活しているというと、真っ先に思い浮かぶのが「同棲」という言葉です。同棲をしているといっても、さほど驚かれない時代になってはいるものの、お見合いではまだまだ同棲は禁句。同棲していたということがわかれば、ほとんどの場合破談になってしまうのです。


もっとも世間の同棲に対する見方、考え方は変わってきていて、内閣府の『結婚前に同棲しても良いか』という調査では、30代までの男女の半数以上が同棲を肯定的に捉えているのだそうです。40代以上の世代でも積極的ではないものの、否定はしないという消極的支持が増えています。結婚という形式にはこだわらないということなのでしょう。これは同時に、性に対しても自由な考え方が広がりつつあることを意味しています。


事実婚

最近では、同棲という言葉の代わりに「事実婚」という言葉が使われるようになりました。事実婚も同棲同様、籍を入れるなどの法的な手続きを踏んだものではありませんから、正式な結婚とは認められていません。事実婚と同棲の言葉の使い方の違いは明確ではありませんが、事実婚の場合には、国の結婚制度そのものを否定し、結婚の新しい形を求めるケースが多いようです。


ただし日本の場合、事実婚に対する法の整備はまったく整っていませんから、子どもが産まれれば戸籍の問題などで苦労することにもなりかねません。形にこだわらない結婚は一見斬新で先駆的イメージがありますが、将来をしっかり見据えておかないと、その場しのぎの生活が続き、結果として破綻を招くことにもなりかねません。正式に結婚をするにしても、あるいは同棲なり事実婚なりを選択するにしても、それなりの覚悟は必要なようですね。  


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