おひとりさまで友人のネットワークを大切にするか、結婚をして家族を持つか

幸・不幸は友人とのネットワーク次第

東京大学教授の社会学者・上野千鶴子さんが『おひとりさまの老後』(法研/2007年)という本を出版し、ひところ話題をよびました。「おひとりさま」というのは、未婚・離婚・死別を問わず、結婚をしていない独身者のことを指しています。


この本によれば、「おひとりさま」の幸・不幸を分けるのは、相互扶助の気持ちで結びついた友人間のネットワークの有無だそうです。困ったときに助けてくれる友人がいるかいないかが、人生のクォリティを決定する重大な鍵になるというのが上野さんの説のようです。「金持ち」であるより「人持ち」であれという主張は、まったくそのとおりかもしれません。

ほどよい距離が保てれば

友人とのネットワークを作るのは、どうやら男性よりも女性のほうが得意のようです。男性は女性を守るために身ひとつで敵と戦い、女性は群れを作ってお互いの子どもを守る。それって、野生の本能なのはないでしょうか。私の周りにも、老いたら少し大きめの戸建て住宅を共同で購入し、助け合いながら生活をしようと相談している女性がいます。おひとりさまでずっときた方ばかりではなく、結婚をしている女性はいずれひとりになった時のことを想定していますし、バリバリ仕事をこなしている女性は、定年後のことを想定しているようです。


信頼できる友人との共同生活なら、隠し立てするものはなく、悩みも打ち明けられるし賑やかなおしゃべりは楽しめるし、時に国内外の旅行に行ってお洒落な買い物を楽しむことも自由にできます。そうした同性との自由気ままなコミュニティは、ほどよい距離を保つことさえできれば、確かに快適な生活環境を保障してくれるでしょう。

一番大切なもの・・・それは家族

友人は家族に勝るものなのでしょうか。「あなたにとって一番大切なものは何か」という回答で一番多いのが「家族」なんですね。そう思う人の割合は、1958年には約1割だったものが、70年代以降から徐々に増え続け2003年には約5割にまで達しています。半数の人が家族を一番大切な存在だと考えているのです。


結婚をしたことで、これまでの自由な生活が失われ、奪われてしまうのは絶対にイヤ。それよりも同性と心を許しあえる関係を上手く保ち、老後を気楽に楽しく過ごしたいと思っている「おひとりさま」候補が増えている一方で、家族の絆が見直され、家族を一番大切なものと位置づける人たちもまた増えてきているのです。


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